1897(明治30)年4月12日、三重県からやってきた人たちが、楡の木があったこの場所で野宿したのが、この地の開拓の始まりとされている。野宿していた時の様子は、上富良野町郷土館の展示で知ることができる。
いまは広大な土地を眺めることができるが、原野を開拓することだけでも大変な苦労だろうし、そのうえ『泥流地帯』の拓一のような人たちが、十勝岳噴火による泥流被害を乗り越えてきたことを思うと、まったく頭の下がる思いになる。(2022年4月撮影)
写真と文の提供・神楽岡マイさん
「……じっちゃんたちが開拓した時、一本々々木を伐り倒してな、その度に、空がひろがっていくのを見て、歓声を上げたっていうじゃないか。そん時の苦労を俺はな、硫黄臭い土に鍬を入れることで、味わってみたいと思うんだ。……」
『続泥流地帯』[村葬]より
場所は上富良野駅から北に2.5kmほどのところ。
駐車場はないが、歩いて5分ぐらいのところに上富良野町の開拓記念館があり、そこの駐車場に停めてもよい(上富良野町企画商工観光課による確認済)。